
女性化乳房に悩んでいらっしゃる方に特徴的なのですが、みなさん、大胸筋のトレーニングをかなり熱心にされています。筋肉を鍛えることで余分な脂肪が落ち、男性的な胸板になれるのではとお考えになるようです。ただ、残念ながらそれでは女性化乳房は改善しません。むしろ筋肉が鍛えられることで上に乗っている脂肪が底上げされ、かえって胸の膨らみが目立つようになってしまうでしょう。改善するには、やはり専門の医療機関で治療を受けることが一番の近道です。さっそく具体例をお示ししましょう。
目次
筋トレの効果が得られなかったという女性化乳房の男性
今日ご紹介するのは38歳の方です。子どもの頃から胸の膨らみがコンプレックスだったそうです。勇気を出して相談にお越しくださいました。

多くの女性化乳房患者さん同様、この方も大胸筋を鍛えていらっしゃいましたが、効果は得られなかったと言います。
筋トレに励んでいらっしゃっただけあって、確かに体つきは逞しいのですが、胸の膨らみだけが気になりますよね。
女性化乳房の治療成果
さて、こちらのゲストが手術から半年後、経過観察のために来院くださいましたので、術前と比較してみましょう。

手術後に5kgほど太ってしまったとのことで、お腹まわりは若干ふっくらしてきましたが、胸はすっきりと平らになっています。
6ヶ月も経つと術後のダウンタイムはすっかり落ち着き、手術を受けたことが全くわからなくなります。ご本人も術前の状態を忘れてしまっていたようで、写真を見て驚いていらっしゃいました。
女性化乳房の術後経過
手術というと大ごとのように思われるかもしれませんが、実はそんなにいつまでも生活に影響することはありません。脂肪吸引を行なった場合、だいたい以下のような経過を辿りますので、目安として押さえておくと良いでしょう。
女性化乳房の経過①:手術後1週間まで

手術後1週間程度は、筋肉痛のような痛みを感じます。
微熱が出ることもありますが、これは身体を回復させるために発している熱なので、あまり心配はいりません。ただし高熱が出たり、長引いたりするような場合は医師に相談してください。
仕事は、手術の翌日だけ休み、その次の日から復帰される方が多いようです。この時期は、ちょっとした日常動作で患部が痛みますが、回復を早めるためにもできるだけ動くようにしてください。
通常、術後7日目に抜糸します。シャワー浴なら手術の3日後から可能ですが、入浴は抜糸後から再開いただくのが望ましいでしょう。
女性化乳房の経過②:手術後2週間ごろ

手術後2週間も経過すると、痛みはだいぶ落ち着いてきます。ただ、人によっては胸の周囲にまだ内出血の青あざが残っている状態かもしれません。温泉やプールなど、人前で裸になる場所へ出かけるのは、もう少し待った方が無難でしょう。むくみが出てきたら、圧迫固定をしてください。
なお、この時期、脂肪吸引した箇所が徐々に硬くなり、腕を上げると引っ張られるような感じになると思います。これは硬縮と呼ばれる現象で、切開部位や吸引箇所の周辺組織が回復している証拠です。少々気になるかもしれませんが、正常な反応なのでご安心ください。
女性化乳房の経過③:手術後1ヵ月ごろ

内出血は目立たなくなり、肌も通常の色に戻ります。こうなってきたら、プールや温泉施設にも問題なく行けます。
この時期になると硬縮した箇所も少し柔らかくなってきますが、腕を上げると引っ張られる感じは、まだ残っているかもしれません。日常生活上、手術を受けたことをほとんど意識しなくなってくる時期です。
女性化乳房の経過④:手術後6ヵ月後ごろ

吸引箇所の硬さはほとんど気にならなくなります。また、切開箇所、吸引箇所の傷も目立たなくなりますので、他人に気付かれることはまずないでしょう。
当院では、この段階で最終チェックをさせていただき、特に問題がなければ治療は終了となります。
女性化乳房は一人で悩まず早めの治療を
女性化乳房を自力で改善させることは、現実的には難しいと感じています。ただ、専門の医療機関できちんと治療すれば、確実に改善できるものです。当院の場合、自由診療なので多少費用はかかりますが、悩んでいる時間をお金で買うと考えれば、メリットを感じていただける部分も多々あるかと思います。今お悩みなら、ぜひご相談ください。
まとめ
- 女性化乳房は筋トレで改善させるのは難しい
- 女性化乳房は、適切な治療を受ければ、ほとんど必ず改善する
- 女性化乳房に悩んでいるのであれば、速やかに治療を受けるのがおすすめ