
男性なのに、胸が女性のように膨らんでしまう状態を「女性化乳房」と言います。原因はホルモンバランスの乱れや薬剤の副作用など様々ですが、この症状にお悩みの方たちはほぼ全員、口を揃えてこうおっしゃいます。
「自然な胸になりたい!」
とにかく人並みに普通でありたいというのがみなさん共通の思いのようです。
今日ご紹介するモニター様もそんな一人でした。どのようにして治療を行なったか、詳細をご紹介しましょう。
モニターゲスト紹介:32歳男性、女性化乳房
今日ご紹介するゲストは、32歳の男性です。子供の頃から太めの体型で、当時から胸が大きかったとのことです。

術前のエコー検査で確認したところ、約2cmと小ぶりな乳腺が認められましたが、膨らみの原因の大半は脂肪の蓄積によるものでした。ですから、まずは脂肪吸引による脂肪の除去を行なって、乳腺を取るべきかどうかは、脂肪を取った後のバストの状態を見ながら術中に判断させていただくことにしました。乳腺があるからと言って不用意に乳腺を切除してしまうと、術後に乳頭が陥没してしまう恐れもあるのです。

↑こうしてつまめる部分は皮下脂肪です。硬い結合組織に覆われていますので、ベイザー脂肪吸引特有の超音波(ベイザー波)で溶かしながら吸引して行きます。

↑ベイザー脂肪吸引では、吸引前に特殊な超音波を脂肪に照射し、周辺組織と脂肪細胞を遊離させてから、脂肪だけを刃のないカニューレで脂肪だけを吸引します。このため術後の回復も早く、仕上がりも綺麗です。
女性化乳房の治療効果
次に治療の効果をご覧ください。

ご本人のご希望通り、フラットで男性的な胸に仕上がりました。

↑実際に取り除いた脂肪です。全部で600ccぐらい採取できました。下の方に溜まっている赤い液体は大半が麻酔液で、そこに少量の血液が混ざったものです。「これ全部血液ですか?」と驚かれる方もいらっしゃいますが、実際にはほとんど出血しませんのでご安心ください。
なお、術前に確認された乳腺ですが、脂肪を取り除くことでかえって乳腺の出っ張りが目立つようになったので、結局取り除いています。↓

乳輪の縁に沿って数センチ切開して、そこから取り出しました。
女性化乳房患者さんのニーズとは?
美容外科で施術を希望される方というのは「ワンランク上の美意識を追求したい」という、どちらかと言えば積極的なご要望をお持ちのが多いですが、女性化乳房患者さんの場合、そういったことを望まれる方は稀です。とにかく「普通に平らにしたい」という希望が多いように思います。
ですから、美容外科そのものに気後れしてしまう方も少なくないのですが、その点はどうかご安心ください。私たちはいかなるご要望にもしっかりお応えしますし、どうしていいかわからないと言う方には、最善と思われる方法をご提案します。
是非、気軽にご相談ください。
※今回ご紹介した症例は、動画でもご覧いただけます。
まとめ
- 女性化乳房患者さんの多くは、自然な仕上がりを求めている
- 当院の女性化乳房治療では、自然な仕上がりを目指して、あの手この手で対処する
- 美容外科は派手なイメージが先行しがちだが、心配は無用