
”女性化乳房”とは、男性に乳房の発育を認める疾患。つまり、男性なのに女性のように胸が膨らんでしまう症状のことを言います。
治療したいと思うタイミングは人それぞれですが、当院に寄せられるお悩みを読んでいると、若い方が多いように思います(大学のサークルやら休暇中の旅行やらで露出も増えるでしょうから頷けます)。ただ、「実際に治療にいらっしゃる方はおいくつ?」というと、40代を過ぎた方が多いです。
今回は、女性化乳房の治療にいらっしゃった40代ゲストの症例をご紹介します。女性化乳房に悩むこと、なんと30年。ベイザー脂肪吸引でスッキリした胸元に仕上がりました。
目次
症例概要:子供の頃から悩み続けた女性化乳房とは?
「子供の頃から太っていて、痩せても胸だけは脂肪がついたままだった」こうお話される40代のゲスト。
エコーで診察したところ、乳腺はほとんどなく、脂肪の蓄積が原因の”偽性女性化乳房”であることがわかりました。
偽性女性化乳房(ぎせいじょせいかにゅうぼう)とは
女性化乳房には、乳腺の発達が認められる「真性女性化乳房」と、皮下脂肪の蓄積が認められる「偽性女性化乳房」、その両方の発達が認められる「混合型女性化乳房」の3種類あります。
今回のゲストは下図でいうTYPE-Bの「偽性女性化乳房」。蓄積された皮下脂肪を除去することで、膨らみを解消していきます。
治療時のポイント:皮膚のたるみが強い偽性女性化乳房の注意点は?
偽性女性化乳房の治療では、脇の下の目立たない位置からカニューレ(脂肪を吸い出す細い管)を挿入し、そこから脂肪を除去して平らな胸元に整えていくのですが、今回の場合は皮膚のたるみが強く出ていたので、その点を考慮して、少し工夫しました。
①皮膚のたるみが強い偽性女性化乳房の治療は、デザインをしっかり施す
まずはデザインの工夫です。たるみの強いケースでは、脂肪を完全に除去するところ、ほどほどに除去するところ、ほとんど除去しないところとレベルを分けて記していきます。
通常の脂肪吸引であっても、術前にこの程度のデザインを施すことは当たり前なのですが、たるみの強いケースでは仕上がりの想定が難しいので、いつも以上に力が入ります。
②皮膚のたるみが強い偽性女性化乳房の治療は、ベイザー脂肪吸引の特徴をうまく利用する
実際に脂肪吸引を行っていく際のポイントは、ほとんど脂肪を除去しない部分の脂肪吸引です。というと、頭上にクエスチョンマークが浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、ベイザー脂肪吸引は「皮下脂肪を除去する働き」と「皮膚を引き締める働き」の2つの働きを持っています。このうち「皮下脂肪を除去する働き」は、ほどほどに、「皮膚を引き締める働き」を存分に発揮してもらうのです。
今回の方も、ほとんど脂肪を吸引しない部位にも、ベイザー波をしっかり当てて、浅い層をうまく脂肪吸引することで、皮膚の引き締め効果を狙いました。
30年間悩んだ偽性女性化乳房からとれた脂肪は驚きの1㎏
手術を終えて、除去した脂肪の量を見てみるとなんと1,025ml(写真下の「総量1,300ml」には麻酔液などが含まれます。純粋な脂肪量は1,025mlです)。重さにすると1㎏近くになります。30年分の重みがスッキリ解消されました。
偽性女性化乳房の治療から6ヶ月たった感想は?
手術から半年たった仕上がりがこちらです。皮膚のたるみもなく、自然に男性らしい胸元になりました。
脂肪吸引だけで皮膚をたるませることなく、ここまでの成果が出せるのはベイザー脂肪吸引ならでは。
ゲストご本人からは「30年間コンプレックスで夏でもTシャツを着れなかったり、公衆浴場に行くのも抵抗がありましたが気にせず行けるようになりました。楽しいです」との感想をいただいています。私を含め、スタッフ一同うれしい限りです。
男性で胸のふくらみを気にされている方は是非、当院までご相談ください。
詳しく検査させて頂いたのち、最適な治療・改善策をご提案いたします。
- 偽性女性化乳房でたるみの強いケースは、2つの工夫をして治療を行う
- ひとつめは、脂肪を除去する量でレベル分けしたデザインを施すこと
- ふたつめは、ベイザー脂肪吸引の皮膚の引き締め効果をうまく利用すること